ステロイド軟膏は皆が思っているほど悪い薬ではありません。というよりも、私はこんなに素晴らしい薬は他にないと思っております。
こう書くと私がステロイド信奉者で、何に対してもステロイド軟膏を使うとか、ステロイド軟膏が嫌いならもうあなたは来なくていい、とか言うのではないか、と思う人もいるかも知れませんが、そんな事をいうつもりは全くありませんし、全く考えておりません。
皮膚が赤くなって、腫れて、熱を持って、痒くなってる状態をよくするには、ステロイド軟膏をつけるのが一番てっとり早い方法です、と言っているのです。
皮膚が赤くなり、腫れて、熱を持ち、痛かったり痒かったりする状態を「皮膚が炎症を起こしている」と言います。
誰が何と言おうと、皮膚の炎症を抑えるのにはステロイド軟膏が一番なのです。
皆さんは、何の為に、何を目的としてステロイド軟膏をつけるのか考えたことがありますか?
もしも病気を治そうとしてステロイド軟膏をつけるのならぱ、又つけているのならば、それはちょっと考えなおしたほうがよいかもしれません。
ステロイド軟膏は病気を治す葉ではありません。
先程も言いましたように、ステロイド軟膏は皮膚の炎症をとる薬です。
湿疹とかアトピー性皮膚炎とか、原因は良くわからなくても、体の中から起こってきている病気をステロイド軟膏で治そうとするのは無理というものです。
じゃあ、つけないほうが良いかと言うと、それもまた無理です。
夜、痒くて痒くて掻いてもなかなか眠れない時、あまり酷くなって学校にもいけなくなってしまった時、友達の結婚式に呼ばれているけれども顔に湿疹ができてしまった時、受験を控えているのに痒くて勉強の能率が上がらない時、他にもたくさんあるでしょうが、ステロイド軟膏をつけても一向に構わないと思います。
普通の社会生活を営みたい、と思うのは誰でも同じですから。
ステロイド軟膏をつけていると、病気が治りにくくなってしまうのではないか?と、考える方もいらっしゃるかと思いますが、そんな事はありません。
病気が治るかどうかは、もっと別のところに問題があります。
ステロイド軟膏をつけていると、色が黒くなってきて治らなくなってしまうのではないか、と心配される方も多くいらっしゃいます。実際、色が黒くなってしまう方もかなりいらっしゃるようです。
しかしこれはステロイド軟膏のためではありません。
結論を先に言いますと、これは病気が長びいている証拠なのです。
皮膚の赤みは時間がたてば黒ずんできます。
本来なら、赤み→しみ→消える、となっていくのですが、湿疹が長びいていると、赤みが消えてしみになったところで、また赤みが出てそれが消えてしみになり、また赤みが出てしみになり、と言う事を繰り返していきます。
ですから長い間に色が黒くなってしまうのです。
病気が治れば色の黒いのはとれて、奇麗な肌に戻るはずなのです。
私の正直な気持ちは、ステロイド軟膏をつけるかつけないか、と言う事に関してなら、どちらでも良い、と言う気持ちです。
病気が治る、治らないと言う事と、ステロイド軟膏とは殆ど関係ない、と言うような気がしています。