「プラセボ効果」の功罪

 

皆さんは「プラセボ効果」と言う言葉を知っていますか?

 

これは、「本来、薬効が全くない物質が、本物と同じように効いてしまうにせ薬」の事をいいます。

 

そんなことが本当にあるのか?と思われる人がいるかもしれませんが、そういうことは結構多いのです。


砂糖の塊が狭心症の痛みを軽くしたり、単なるビタミン剤が腰痛を改善したり。

 

それはそれでいいのですが、困ることも結構あるのです。

 

どういう時に、どういう人が困るのか?


一般的に言って、医者はこれを嫌います。

 

何故か?というと、科学的な医療(と、多くの医者は考えている?)をやろうとしているのに、薬でない、にせ薬が効いてしまっては、うまく説明できないために困るのです。


これの一番はっきりしている例が、新薬の治験の場合です。

 

新薬の開発経緯において、対照薬(にせ薬)のプラセボ効果が大きいと、本当にその新薬が、効果があるのかどうかわからなくなってしまいます。

 

ですから、「プラセボ効果」は、出来るだけ排除したい現象ですし、どうやったら、これを出来るだけ排除できるかに頭を使うことになるわけです。

 

私がもし新薬開発の担当責任者だったら、この「プラセボ効果」の排除について何日も寝ないで、考え続け、いい方法を見つけることに専念すると思います。

 

以上は、医学におけるプラセボ効果の場合です。


しかし、医療におけるプラセボ効果の場合は、違うと思うのです。

 

何故なら、医療においては、「プラセボ効果」だろうが何だろうが、患者さんが良くなればいいのです。

 

そうですよね?。

 

極論すると、良くなった理由なんか、どうでもいいのです。

 

ここの所が、医学と医療の違うところだと、私は思っています。


私は医療の現場にもっともっと「プラセボ効果」の考え方を持ち込んだ方がいい医療ができるのでは?と思っています。

 

では、「プラセボ効果」の正体は何だと思いますか?

 

何故、にせ薬が効いてしまうんだ、と思いますか?


要するに、患者さんの安心感に帰するんだろう、と思います。

 

患者さんの安心感を引き起こすファクターは沢山あります。


この先生に診てもらってよかった、という気持ち。

この病院に来て良かった、という気持ち。

診察の後のホッとした気持ち。

お医者さんに対する信頼感。

お医者さんの持っている雰囲気。

お医者さんの貫録。

お医者さんの表情、しぐさ。

お医者さんのしゃべり方。

お医者さんの技術。

 

などなど、まだまだあると思いますよ。


でも、こうして書いてみると、すべて医者次第という感じですね。

 

でも、僕の診療体験からすると、患者さんの安心感は、医者と患者さんの、お互いの相手を思いやる気持ちによって作られていくものじゃないか?と思っていますが、どうでしょうか?。


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