みずいぼは医学用語で「伝染性軟属腫」といいます。
あのボツボツの中に、沢山のウィルスが入っています。
だから、皮膚科医は皆、みずいぼはうつるものだと考えています。
幼児から小学生にかけて多いような気がします。
しかし、中学生頃になると、殆ど見かけなくなります。
どうしてでしょうか?
皆、それまでにとってしまったからでしょうか?
免疫ができるからだと、専門家は指摘します。
ならば、幼児から小学生のうちに、血だらけにして、無理に押さえつけてとらなくてもいいように思います。
なぜなら、自然と無くなるからです。
無理にとっても、私たち医者にとって、あまりいいことはないように思えます。
第一に、患者さんに嫌われます。
母親、父親に好まれることはありますが、患者さんは間違いなく、二度と来たくはないと思うでしょう。
第二に、沢山とろうと思うと医療スタッフも大勢で大変な思いをしなくてはいけません。
なにせ、子供はとられまいとして全身の力をふりしぼって暴れますから。
なぜ、そこまでして取らなくてはいけないのでしょうか?
麻酔薬入りのテープを貼ってやっても、チクチクする痛みは同じです。
プールでうつる、うつされる、という話があります。
これはどうも、ウィルスだからうつるのではないか、と言う推測から出ている噂なんだろう、と思っています。
私は、うつしても、うつされても別に構わないじゃないですか、と言っています。
実際、プールの水、ヘルパー、ビート板から、みずいぼのウィルスを検出したという報告は聞いたことがありません。
私はプールへは、もしうるさく言われるのなら、みずいぼが見つからないように入るか、知らん顔して入りましょう、と言っています。
法律で禁止されているわけではありませんし。
「みずいぼは、みんなでできれば、こわくない」
私は、痛くない暗示の力を利用して治療しています。これが、結構効くのです。
この方法で治療しているうちに、増えてしまって、体中、いぼだらけになった患者さんはいません。
もちろん、他のお医者さんにつまんでもらって治った可能性は否定できませんが。
いずれにしても、小学生高学年までに消えるものであるなら、少なくとも、幼児期に無理に押さえつけて取るのだけはやめて、経過を見守るぐらいの余裕が親にも医者にも欲しいなあ、と思っています。