「ステロイド軟膏」の副作用について

 

インターネットのアトピー性皮膚炎のフォーラムなどを見ていると、まだまだステロイド軟膏は悪者のレッテルを貼られているようです。

 

私は、まあこれは仕方がない事なのかなあ?と思ってみています。


何故なら、殆どの、まだアトピーが治ってない人から見ると「ステロイド軟膏をこれだけつけていて治らないのは、この薬のせいだ。」と考えてしまうのも仕方がない、と思うからです。


でも、ここでちょっと整理しておきたい事柄があります。


それは「ステロイド軟膏の副作用?って何ですか?」という質問に対しての回答です。


1.ステロイド軟膏の副作用長期間ステロイド軟膏を塗布している時の副作用は?


皮膚が薄紙のようにペラペラになってくる皮膚萎縮、

皮膚の毛細血管が浮いてきて赤くなってくる毛細血管拡張、

皮膚の免疫抵抗力の減退による真菌感染、毛嚢炎(ニキビ)、ヘルペスなどの種々の感染症

 

があるくらいです。

 

もちろん、これは内服ステロイドの場合にも起こってきます。ステロイド外用で起こる副作用には、これ以外のものは殆ど認められておりません。

 

非常に強力なステロイド軟膏を短期間に非常に大量使用した場合には副腎機能不全、ショックなども起こりうる、とは教科書には書いてありますがそういう使い方をすることはまずない、と考えて良いと思います。


また、ステロイド皮膚炎という病気がありますが、これは口周囲、頬部にステロイド軟膏を長期間つけた場合に起こる上記の種々の皮膚変化(皮膚萎縮、毛細血管拡張、毛嚢炎)などの混合した変化と考えてよいのです。ですから、もちろんつけなくなれば、短期間で治るというものです。


2.リバウンド現象について


これはアトピー性皮膚炎の場合によく言われる言葉です。

 

アトピー性皮膚炎をステロイド軟膏でコントロールしようとしている時に(これは必要悪だと思います)病気がまだ良くなっていないのに何らかの理由で、急にステロイド軟膏をつけるのを中止した時に、急に症状が増悪する現象を言います。これはいたって、当たり前の現象と言えます。


何故ならば、アトピー性皮膚炎の状態が悪くて、痒みが強く、赤みが強く、日常生活がままならない時に、それを押さえ込もうとするために使っていたステロイド軟膏を急にやめるのですから、抑え込まれていた病気が息を吹き返すわけです。

 

以前にも増して、痒み、赤み、むくみが強くなってきても仕方がないわけです。

 

ですから、これはステロイド軟膏の副作用ではなくて、ステロイド軟膏を急に中止したために起こる当然の結果という事になります。

 

現在、免疫抑制剤として使われ始めたプロトピック軟膏にリバウンド現象が起きるかどうか?ですが、理論的には「病気を抑え込む」のは同じですから、リバウンド現象は起きるはずですが、まだ発売後日数も経過していませんし、症例数も少ないことからもう少し時間が経たないとわからないと考えています。

 

ただ、ステロイド剤ほどの強いリバウンド現象は見られないだろうとメーカーサイドは考えているようです。


3.”ステロイド軟膏がアトピー性皮膚炎の重症化を促進する”という話について

 

こんな事はありえない話ですし、私自身も25年の臨床経験で一度も経験したことはありません。薬剤の作用機序としても全く考えられません。


ただ、あり得るとすれば、ある程度の強さのステロイド軟膏を使っているうちに、その人の病気の勢いが何らかの理由でどんどん強くなり、今までのステロイド軟膏が効かなくなり重症化してしまう、という可能性です。

 

こういう場合は、何故、病気がどんどん悪くなってきてしまったのか?という事を先生と患者さんとで協力して、いろいろ考えてみなければいけないんだろうと思います。


以上、私の考え方を書いてみました。


結論としては、「病気が何故なかなか良くならないんだろうか?」「どういう時に悪くなるんだろうか?」という事を「患者さん自身にもよーく考えてもらう。」という事だと思います。

 

これをサポートするのが皮膚科医の仕事だとも考えています。

 

「自分で自分のことをよーく考えてみる。」これしか病気を治す方法はないのです。


私は脱ステロイドでアトピー性皮膚炎がもし良くなるとすれば、仕方ない切羽詰まった状況の中で、この「自分で自分のことをよーく考えてみる。」ことが実践できたからだろう、と思います。

 

「ステロイド軟膏をつけていれば病気が治る。」という考え方をしているかぎり、アトピー性皮膚炎は治らない、と考えたほうが良いと思います。


「ステロイド軟膏をつけるか、つけないか」という事と「病気が治るか、治らないか」という事は全く関係ありません。


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